トルコ石(ターコイズ)の産出地。シルバーアクセサリーのニズム!

トルコ石の産出地

トルコ石のさまざまな産出地

アメリカ合衆国:
米国の南西部は、顕著なトルコ石の産地である。アリゾナ州、カリフォルニア州(サンバーナーディーノ、インペリアル及びインヨーの各郡)、コロラド州(コネホス、エルパソ、レイク及びサガチェの各郡)、ニューメキシコ州(エディー、グラント、オテロ及びサンタフェの各郡)、ならびにネバダ州が特に豊富である(またはかつて豊かだった)。
ニューメキシコ州セリロスには最も古いトルコ石の鉱山があり、19世紀の終わりには、ニューヨークのティファニーが所有していたため、ティファニー・ターコイズと呼ばれる。
1920年代以前にはニューメキシコが国内最大の産地だったが、現在では多かれ少なかれ枯渇している。今日では、カリフォルニアのアパッチ渓谷にある一か所だけが商業的な規模で操業されている。
ここでのトルコ石は、石理か割れ目を埋める形、または小さな塊状で産出する。ほとんどが小さいサイズである。
色合いと耐久性においてはイランのものと肩を並べるほど、かなり上質のものがたまに見つかることがあるが、大部分のアメリカ産トルコ石は低いグレードのもの(いわゆるチョーク状トルコ石)である。
すなわち、高い鉄の含有率によって緑や黄色が強く、また一般的に脆く、人工処理しなければ宝飾品で用いることができない。 アリゾナは、価値の面では現在最も主要な産地である。鮮やかなビズビーブルーがそこの天然の品質のよい例である。アリゾナ産のトルコ石は、多くが銅採鉱の副産物として採取されている。
ネバダはもうひとつの国内の大産地であり、歴史上、推定で75から100か所の鉱山が開かれた。ネバダ産のものはしばしば、いわゆる「蜘蛛の巣状の基質(スパイダーウェブ)」を形成する魅力的な茶色や黒の褐鉄鉱の石理で特徴付けられる。ヨーロッパと異なり、アメリカではスパイダーウェブが入っていないトルコ石は価格も安い。世界でもっとも価格の高いトルコ石は、ネバダでほんの少しだけ採掘された濃いブルーに細かなスパイダーウェブの「ランダーブルー」で、現在では数十カラット以上の大きな物は$10,000以上の価格がつく。
1912年にバージニア州キャンプベル郡のリンチステーションで、はっきりとした単結晶のトルコ石の鉱脈が発見された。母岩の上に晶洞を形成していたこの結晶は、非常に小さいものであって1mmは大きい方だった。1980年代まではバージニアは明瞭な結晶が取れる唯一の場所と考えられていたが、現在、これ以外に少なくとも27か所になっている。こういった試料は、収集家に高い価値を付けられている。
利益を回収し需要に応えるための試みとして、ほとんどのアメリカ産トルコ石はある程度人工処理または強化されている。これらの人工処理には、ワックスを塗る無害な方法から、染色や浸透法のようなもっと問題のある方法まで、さまざまである(下記の人工処理の項を参照)。採掘されたままで人工処理されないトルコ石は「ナチュラル」と呼ばれ、価格も高い。

シナイ半島:
少なくとも第1王朝(紀元前3000年頃)または恐らくそれ以前から、エジプトではトルコ石がシナイ半島でエジプト人によって採掘され、用いられていた。現地のMonitu人はシナイ半島を「トルコ石の国」と呼んでいた。この地域にはおよそ650平方キロメートルに渡る6か所の鉱山があり、それらすべては半島の南海岸にある。これらの中で歴史上もっとも重要なのは、セラビト・エル・カジムと、ワジ・マガレであり、知られた鉱山の中で最古のものだと言われている。前者はハトホルのための古代の神殿から4キロメートルの場所にある。
このトルコ石は、玄武岩に覆われているか、またはもともと覆われていた砂岩の中で見つかる。銅と鉄の採掘が現在でもこの地域で行われている。大規模なトルコ石の採掘は今日では採算が合わないが、鉱脈はベドウィンが自家製の火薬を使って散発的に採石している。雨が多い冬の季節には、採掘者は鉄砲水の危険に曝される。
乾季ですら、無計画に採掘された砂岩の壁が崩壊して死ぬこともあるらしい。 シナイ半島のトルコ石の色合いは、一般的にイランのものよりも緑がかっているが、安定でかなり耐久性があると考えられている。しばしばエジプトのトルコ石と呼ばれているが、シナイ半島のものは一般に最も透明で、拡大鏡で観察すると表面構造には他の産地のものには見られない暗青色の円盤が散りばめられているのが見える。
イスラエルのエイラトの近くでは、トルコ石、クジャク石、珪クジャク石の魅力的な合生が見つかっている。この岩はエイラト石と呼ばれ、しばしばイスラエルの国の石とも言われる。エイラト石は現地の職人によって加工され、観光客に売られている。

イラン:
少なくとも2000年以上にわたり、ペルシャとして知られたこの地域は、トルコ石のもっとも主要な産地だった。というのも、高品位の素材が最も一貫して採取されていたためである。この「完璧な色合い」の鉱脈は、イランのコラサン地方の主要都市マシュハドから25キロメートルにある標高2012メートルのアリ・メリサイ山に限られる。これらの採掘所はシナイ半島のものと合わせて、最も古くから知られている。
イランのトルコ石はしばしば長石と置き換わる形で見つかる。一般に白い斑点が付いているが、その色合いと硬さは他の産地のものより優れていると考えられている。イランのトルコ石は何世紀にも渡って採掘され、取引されてきており、おそらくヨーロッパに最初に渡ったのはイランのものであったろう。

その他の産地
中国は3000年以上に渡り、少量ながらトルコ石の産地だった。小さな塊状をなす宝石級の品質のものが、Yunxian、Zhushan、及び湖北省のケイ化した大理石の破片から見つかっている。加えて、マルコ・ポーロは、現在の四川省からトルコ石が見つかったと報告している。
ほとんどの中国産トルコ石は輸出されるが、翡翠に似た加工法で加工された彫刻もいくつか存在する。 チベットでは緑色のトルコ石が珍重されるが、宝石級の品質のトルコ石が、東部のDerge、及び西部のNagari-Khorsumの山から産すると伝えられている。しかし、裏づけがないことからこれらの存在は疑われている。
このほかの顕著な産地は以下の通り:アフガニスタン、オーストラリア(ビクトリアとクイーンズランド)、チリ北部(チュキカマタ)、コンウォール、サクソニー、シレジア、及びトルキスタン。

参照: 「トルコ石」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)