[ ゴム型の作成過程 ]
インディアンジュエリーではサンドキャストという技法で(トゥファストーンという石を使うのですが)で同じものをいくつか複製をすることが出来ます。 私たちも複雑なシルバーアクセサリーのワックスデザインや2度と同じ物が出来るかな?と思うほど出来のいいお気に入りのジュエリーなどは、このゴム型で保存をしておくことも1つの方法です、素人のひとにはあまり関係がなさそうですが、参考としてちょっと目を通してみてください。
原型
シルバーリングのゴム型をとってみます、原型はきったり張ったりして自分で作ります、後ろ側にシルバーの通り道になる銀線を取り付けておきます。
生ゴム
原型を埋め込む素材には[生ゴム]と[シリコン]がありますが、ニズムでは長年生ゴムを使用しているので、ここでは[生ゴム]でゴム型を製作してみます。
埋め込み(1)
まず埋め込むシルバーリングの湯道に三角錐の器具をつけます、ここの部分からワックスを注入するのです。
埋め込み(2)
中に残ってしまう空気が大敵なのです、(ゴム方の中の空洞は指輪の型以外はあってはならないので)指輪の指の部分には丸めた生ゴムできっちり空気を追い払います。、
埋め込み(3)
空気が残らないようになるべく密に生ゴムでシルバーリングを包み込んでいきます、
埋め込み(4)
シルバーリングの包み込み完了、写真にありませんが、千枚どうしのようなとがったものであちこちを突き刺して空気の抜ける穴をつくるとよいのです。
埋め込み(5)
出来あがりを型の中に押し込み収まり加減をみます。型との間などに隙間があるようでしたら、ゴムをカットしてなるべくぴったりになるように隙間をふさぎます。
焼成器
この機械で上下から圧縮して熱を加えて焼いていくのです、温度は大体145度ぐらいで、時間としてはゴムの厚さによりますが40分ぐらいがよいと思います。
焼成する
焼成後ゴム型は切り開いてシルバーリングを取り出すのですがそのときに目安になるために、焼く前にゴム型の上下を何かの印でわかるようにしておきます。
焼成完了
焼きあがりです。熱いので気をつけて、このあとは水につけるなどして中を十分に冷やします。
メスで切り開く(1)
中に埋められているシルバーリングを取り出さなければなりません、切り開くには手術用のメスを使います、
メスで切り開く(2)
この作業こそ職人のうでの見せ所です、あとで合わせたときに切り離したゴムがずれないようになるべくく凹凸が出来るように切り開いていきます、
メスで切り開く(3)
もうお気ずきだとは思いますが、シルバーリングを取り出したあとには空洞になってますよね、そして湯道と最初につけた三角錐の空洞も出来ています。
WAX型をとる
ワックス注入機械(インジェクター)で円錐型の部分から80度ほどに溶けたワックスを注入していきます、ワックスの種類も用途によって数種類あります。
WAX型をとる
ワックス注入後ワックスが固まるまで少し待った後、ゴム型を開いていくと、ほらね!こんな風にして同じ物がいくつも作れてしまいます。
WAX型
原型のシルバーリングと同じ物が出来たでしょ!でも違うことが1つワックスは冷えると1割ほどちじんでしまうのです、そのことを頭に入れてゴム方にするときの原型はちょっと大きめに製作しておきます。
WAX型
ゴムの内側の凸凹が見えるでしょ、ゴム切りも慣れるしかないのですが、上手くなれば大胆な凸凹をつけて切り開けるようになります。
WAX型
きれいに型がとれました、これを”ふいて”磨きをかけ、トルコ石(ターコイズ)をセットすればかっこいいシルバーアクセサリーの出来上がり。
趣味で彫金を楽しんでいる人やプロの作家でもなかなかゴム型までは手がまわらないと思いますが、流通しているシルバーアクセサリーや インディアンジュエリーはほとんどがゴム型で製作されています、少しはゴム型のことが分かっていただけましたか、 先ほども述べましたがゴム型からワックスにした段階で1割ほどワックスはちじんでしまいます。 購入したシルバーリングなどの腕が不自然に細かったり薄かったりするものはかってに他人のデザインをゴム型で盗んで商売にしている 商品である可能性があります、気をつけて。 |